バーレッスン編
日々の基本、レッスンの前半戦、バーレッスン。
みなさんは、どんなふうにレッスンしていますか?
また、どんなふうにレッスンしたら楽しみながら上達できるのでしょうか?
今回は大切な基礎作り、遠回りにならないよう…一歩ずつ成長できるよう…より楽しめるヒントになりますよう…一緒に考えてみましょう。
第1回
バーレッスン、、、
何のため? 何をしている? 何をすればよい??
まずプリエからはじまって、次々にいろいろな曲、いろいろな動き。
順番を覚えて、右向き、左向き。
あっという間の45分という人もいれば、45分ごにはクタクタという人、だんだんとエンジンかかって45分終えるとしっかり踊れる体になる、という人もいるかもしれません。
バーレッスンは、ベース作りであり、ひとつひとつがトレーニングであり、クラスの中ではセンターへのウォーミングアップの役割でもあるのです。
基本的な手や足の動かし方や、より正しい立ち方で動かせるように…バーの助けを少し借りながら、基本動作を身体で覚えたり、磨いたりする時間なのです。
バーレッスンそのものを楽しみたいですが、正しく理解して、よりよいトレーニングをしたいです。
では、どんなことに気を付けたらよいでしょうか?順に解説しますので、ぜひご自身を当てはめて読んでみてくださいね。
バーが手助けしてくれることはなんでしょう。
①軸の安定
②セーフティ・バランスの助け
③アライメントの指針
④上に上がる原動力のキッカケ
などが挙げられると思います。
当クラスでは、バーに対する自分の位置は基本 両手バーはアンナバン・片手バーはアラスゴンド の手の位置を基準にして、あとは上から手を置いて、肘をリラックスして下ろすようにしています。(もちろん、わざわざ違う手の置き方をしてもらって、動きのセルフチェックや、意識してほしいことをより感じ易いようにする事もあります。)先生は目的によって必要なチョイスをしているので、これが全てではありませんが…
①軸の安定
バーと正しい一定の距離を保てることは、自分の足の上に真っ直ぐ立てていることになり、軸の安定に繋がります。
例えば
片手バーで、バー側の足が軸足となって動いているとして
・ロンド・ジャンブの時 ドゥバン(前)からアラスゴンド(横)に運ぶと、バーと自分の距離が大きく広がってしまう…
・フォンデュの時 プリエを深めるとバーを引っ張ってしまう…
残念ながらどちらも動きの中で軸足に真っ直ぐ立てていない、動作足の方へバランスを崩してしまっていることになります。
バーとの距離は、軸のラインが変わらなければ、変わらないはず…バーの手は上から押せる位置に立ちましょう。
一生懸命に足を動かしているのに、そこにバランスが無いとしたら…ちょっと損した感じ。自分の足で立つことができなければその先には繋がりません。バーとの距離、チェックしてみてくださいね。
②セーフティ・バランスの調整
まだ慣れていない動きや強度の高い動きの練習をする時、万が一バランスを崩してしまっても、転倒や、大きなケガになってしまわないよう、バーに助けてもらいます。
また、片足のルルヴェなど完成の位置が正しいか、バランスの練習をする時も助けてもらいます。
例えば
・ピケの練習で踏み切りしたら、まずすぐにバーをつかむ。
・ルティレのバランスでバーをしっかりつかむ。
これも同じく、本来踊る時にはないはずのバーなのに、頼りすぎてしまい…自分で立つことや、バランス感覚がなかなか身につきません。
・ピケの練習なら→自分で立ってみて倒れそうになったらバーに手を置いてみて、次は行き過ぎないように気を付けよう。
・ルティレのバランスの練習なら→ここではとても手を放せそうにはないから、もう少し軸足側に立ってみよう。
と練習してみてください。いつでもバーの手は浮かせられるように、自分の足でしっかり立つことが大切ですね。
③アライメントの指針
センターレッスンになると、体の向きや移動のパターンも複雑になるので、バーレッスンの時に身体の向きや基本姿勢が正確かどうかチェックしておきましょう。
例えば
プリエやタンデュを上体の動きは少なく、シンプルに練習しているとして
・腸骨をつなぐライン、両肩をつなぐライン、ウエストの後ろ側のライン、が斜めになっている。
骨盤真っ直ぐに、おへそは前を向く、軸足ターンアウト、動足側に開かない、肩を前に出さない、のような姿勢に関するよくある注意…
・上に挙げている目安となるラインを 両手バーならバーと平行 片手バーならバーと垂直 になっているかを気にすればいつでもチェックできます。方向転換や軸がフラフラしてしまう時に、軸足側の脇の面が 両手バーならバーと垂直 片手バーならバーと平行 かで修正できたりもします。姿勢改善、自分のクセを修正、身体の真っ直ぐを知るのにも、バーはとっても役立ちます。
④上に上がる原動力のキッカケ
ジャンプの練習やポアントの練習、もっと高い位置に身体を運びたいのに…
プリエ~ストレッチの原動力だけではなかなか身体が持ち上がらない、身体を上に運ぶタイミングがつかめない。そんな時は床を蹴る時に、バーの手を下に向かって少し下に押してみて下さい。肩の位置などに注意は必要ですが、反動が手伝って、高い位置に身体を運び易くなったり、徐々に感覚が身につくキッカケを作ってくれたりします。
まとめ
ついつい動く足に夢中になってしまいがちなバーレッスンですが…センターレッスンや踊りに繋がるように、より効果的にとレーニンされるよう、バーとの関係を気にしましょう。
バーに置く手は
アンナバン・アラスゴンドの距離
軸のラインに合わせていつでも移動
いざという時助けてもらう
いつでも浮かすことができる
引っ張らない。持ち上げない、押して良し
頼りすぎず、少し手伝ってもらって実り多きバーレッスンにしましょう。
次回はバーレッスンの内容について掘り下げていきますので、合わせてチェックしてみてくださいね。